お客様のご要望を完全に実現したモータドライバ
開発担当:藤川和豊 事業部長
お客様の課題/依頼背景
以前モータを開発させていただいた医療機器メーカのお客様から助けてほしいという電話があり訪問しました。当時は世界中にコロナ禍が広がり、海外では工場の生産活動休止などが深刻な問題になっていて、
当社もモータに使われる電子部品の確保が生命線になっていました。
お客様もそれまで8年ほど調達されていたモータドライバ用の電子部品の買い集めと製品の生産供給に奔走されている状況の中、既存の供給メーカーから状況困難により注文を断られてしまったのです。
「何とかして助けたい。」という思いから依頼を引き受けることになりました。
解決策
お客様と創りあげた逸品
当社はモータだけでなくドライバの試作開発、標準ドライバの仕掛かり在庫を常にしておいて短納期の対応を行っているため、手持ちに少しの電子部品がありました。そこで手持ちのマイコンやFET等の重要電子部品を基にしてありとあらゆるソースから必要部品を買い集め、モータドライバのハード設計を始めました。
課題があった制御方式ではモータが過負荷になり続けないようにしつつ、過電流あるいはドライバの温度上昇を観測してPWM制御に切り替え、意図的に電流制限を効かせてトルクダウンさせ負荷が緩和し温度が下がったらPID制御に戻るという方式を構築しました。
ソフト開発は新しい魔法の呪文を作り出すようなものでこのドライバ開発では大変苦労しましたが、お客様カスタムの呪文ができたとも考えております。
特徴
- お客様の製品企画に合わせてご要望を完全に実現したモータドライバ
- PID制御とPWM制御の融合
- 完成品実機として医療機器用のノイズ試験等も合格
- 入力信号と多段回転数指令値の組み合わせで3種類の駆動ソフトを開発し3機種展開
利用目的/シーン
医療用のポンプユニットに使用されます。ポンプ負荷の方式は様々ですが構造により回転数が速くなると負荷が増大するという特徴があります。そしてポンプの吸引口・突出口の状況に応じて常に負荷が変動します。ポンプユニット性能の安定化のためPID制御が必要になりますが、通常のPID制御では弊害も起きます。立ち会いで制御ソフトの修正をしながらその場で試作品のドライバにソフトの書き換えを行いました。
製品のポンプユニットは3タイプあり、各々で最適なモータドライバのカスタム開発ができあがりました。
その他の開発実績
インナーロータ型の開発で振動問題解決
カスタムブラシレスモータ
開発担当:加藤俊彦 課長
ボールベアリングの静音化と発熱対策
カスタムブラシレスモータ
開発担当:加藤俊彦 課長
多極・多スロットモータを極め続けます
フレームレスモータ
開発担当:吉川翔悟 チーフ
カスタムモータの検査装置をカスタム
JMSOL
Back EMF検査装置
開発担当:吉川翔悟 チーフ
中空軸モータに特化したカスタムモータの開発
中空軸モータ
開発担当:藤川和豊 事業部長